人工授精と体外受精の違いは?

不妊治療というと、「人工授精」・「体外受精」という言葉が思い浮かびますが、はっきりとこの2つの違いを認識している人は少ないのではないでしょうか?
簡単に言うと、人工授精が“排卵に合わせて精子を子宮内に注入する方法”、
体外受精は“採取した精子と卵子を受精させてから子宮に戻す方法”となります。
体外受精は精子と卵子を一緒の容器に入れるのみで受精させる方法で、
ドキュメンタリー番組やドラマなどで目にする、ひとつの精子を選んで卵子の中に注入して受精させる方法は、
「顕微授精」といって体外受精よりもひとつステップアップさせた方法です。
不妊治療では、より自然な方法の人工授精のほうを先に行い、
結果が出なかった場合、体外受精にステップアップしていきます。
精子を人工的に運んであげる人工授精の方法

一般的にほとんどの精子は膣の中で死んでしまい、
子宮まで到達できません。
そこで、より受精の確率を上げるために、
「排卵に合わせて子宮の奥に精子を運んであげる」 のが人工授精という方法です。
はじめに排卵誘発剤を使って、複数の成熟卵胞を育てます。自然の排卵を利用し、排卵誘発剤を使用しないこともあります。
卵胞数や大きさ、排卵の指標となる尿中のLH濃度(黄体形成ホルモン濃度)を見ながら、
人工授精を行う日にちを決めます。卵胞を育てるHMG注射をした場合は、卵胞が20mm程度になったら、HCG注射で排卵を促します。
精子は、人工授精当日に病院の採精室で採精します。
採取した精子は培養液で処理して、濃度や運動率の調整が行われます。
いよいよ人工授精です。
人工授精針のついた注射器で子宮内に精子を入れます。
処置後、安静にする必要はなく、普通に生活できます。
人工授精をしてから約14日目に妊娠判定を行い、妊娠が確認できた場合、その後は自然妊娠と同じです。
採卵してシャーレ内で精子と出会う体外受精

人工授精で妊娠することができなかった場合、体外受精の方法をとることが多いようです。
体外受精は人工授精と違い、 「 採卵 」 という処置が必要となります。
採卵する日時が決まったら、採卵の36〜37時間前に排卵を促すHCG注射をし、採卵します。
採卵は、経膣超音波で卵胞の位置を確認しながら、採卵針を卵胞に刺して卵胞液ごと採取します。麻酔や痛み止めの坐薬を使用するので、痛みはありません。
卵子はとても小さく、超音波で見ることはできないので、
採卵したあとに顕微鏡で確認します。
また、HCG注射をしたあと、ホルモンバランスに乱れが現れた場合は受精を行ってもうまく育たない確率が高いので、採卵を中止することもあるそうです。
採卵した卵子は、病院内で採取した精子とシャーレの中で混ぜて受精を行い、
約18時間後に受精したかを確認した後、約2日間培養して、子宮の中に戻します。
このとき着床率を上げるために、黄体ホルモンを注射することが多いようです。
一般的に16日目に妊娠検査を行い、確認できればその後は自然妊娠と同じです。
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