東洋医学では、不妊治療に古くから鍼灸が用いられてきました。特に、原因不明の不妊とされている人に効果があると言われています。なぜ鍼灸が不妊によいのかは、科学的に明らかになっていませんが、欧米での調査でも良い結果が報告されています。
鍼灸での不妊治療は古くから行われていて、
鍼灸治療の見地では、不妊は高い効果が見込める分野とされています。
2002年にドイツと中国の合同研究チームが、鍼灸治療が不妊症の改善に効果があると、
アメリカの生殖医療学会誌で報告しました。
調査は、人工授精を受ける160人の女性を対象に行われ、2つのグループに分けて、
一方に鍼灸治療を施したところ、鍼灸治療をしていないグループの妊娠率が26.3%だったのに対し、
治療を行ったグループは42.5%でした。
人工授精の妊娠率は、高くても3割とされている中、これはかなり高い数字です。
鍼灸がなぜ不妊症に効果があるのかは、
今でも明らかにされていませんが、不妊症にとって悪いものではないようです。
すでに不妊治療の専門クリニックの中には、治療の一環で鍼灸を取り入れているところもあり、
個人でも人工授精や体外受精と同時に鍼灸院に通っている人が多くいます。
鍼灸が効果を発揮する種類の不妊症は、
主に「原因不明」と言われている不妊症です。
検査をしても疾患などが見つからず、ホルモンや抗体などにも異常がなく、
なぜ妊娠しないのか現在の医学ではわからない、といった種類の不妊です。
鍼灸というのは東洋医学の治療法のひとつで、東洋医学の考え方では、
不妊の原因は、冷え性によって骨盤内器官が冷やされてしまうことだと言われています。
そこで、お灸で不妊症のツボを温め、鍼で体調を調節し、
子宮の血流をよくすることで受精卵の着床を促す治療が行われます。
その他にも鍼灸治療には、
ホルモンバランスを整えて妊娠しやすい体を作る、卵巣機能を向上させて質の良い卵子を作る、
排卵誘発剤で低下した卵巣機能を回復する、不妊によるストレスを解消する、などの効果が期待できます。
一回の治療は約1時間で費用は5千円くらいです。
不妊症についての治療を行っている鍼灸院では、
産婦人科で人工授精や体外受精の治療をしている人が、より効果を得られるように、
産婦人科のスケジュールに合わせて治療をしてくれるところもあるので、相談してみましょう。
鍼灸で効果が期待できるのは、女性に原因のある不妊症だけではありません。
男性不妊の人も多く治療に通っています。
鍼灸院での男性不妊の治療は、よい精子を作ることを目的に行われます。
抹消血管の流れを良くし、自律神経を整えることで、精巣機能を向上させ、精子の数を増やしたり、
元気な精子が作られるようにします。
また、精子の質は、ストレスや体調に大きく左右されることが分かっていて、
鍼灸のストレス解消や疲労をとる効果が、
男性不妊によい結果をもたらすのではないかと考えられています。
ドイツで行われた研究では、奇形や動かない精子、精子の数が少ないなど、
原因不明の男性不妊を抱える28人の男性に、鍼灸治療を施したところ、健全な精子が増えたという結果がでました。
中でも精子の形態に問題がある男性不妊に、効果があると報告されています。