日本には不妊治療に関する法律がありません。そこで各産婦人科では、産婦人科医の90%が所属する日本産科婦人科学会が定めるガイドラインに則って不妊治療を行っています。現在のガイドラインでは、代理母や非配偶者間の体外受精はタブーとされています。
日本では法律上の夫婦でなければ、
不妊治療を受けられないという日本産科婦人科学会の定めたガイドラインがありましたが、
2006年に改正され、現在では事実婚のカップルでも不妊治療を受けられるようになっています。
しかし、自治体が定める特定不妊治療助成金の中には、法律上の夫婦のみを対象としていて、
事実婚のカップルは受けられないものもあります。
日本には人工授精や体外受精などに関する法律がありません。
そこで、ほとんどの病院が学会のガイドラインに則って、治療を行っています。
しかし、代理出産や非配偶者間の人工授精など、
学会のガイドラインがNOと言っている治療を行っている産婦人科も、ごく少数ですが存在します。
これらの治療は、日本国内で行われていなくても、
渡米して行うなど、水面下では進められてきたことだと言います。
代理出産や非配偶者間の人工授精には、簡単には割り切れない、倫理の問題が付き纏うのです。
代理出産とは、病気による子宮の全摘出や先天的な異常のために、
子宮で赤ちゃんを育てられない女性の代わりに、第三者の女性が妊娠・出産をすることです。
代理母には、夫婦の受精卵を第三者の女性の子宮に移植する方法と、
不妊夫婦の夫の精子を第三者の女性に人工授精する方法の2種類があります。
日本の産婦人科医の90%が所属している、日本産科婦人科学会では、
「倫理的に社会全体が容認していると認められない」とし、
代理母出産を認めていません。
世界でも、ヨーロッパ諸国では禁止、韓国でも近年禁止となり、
アメリカでもニューヨーク州などでは禁止となっています。
そこで、代理母出産を望む日本人は、
容認されているアメリカ・カルフォルニア州やネバダ州などに赴き、治療を受けています。
タレントの向井亜紀さん・高田延彦さん夫妻が、
向井さんがガンでの子宮全摘出のため不妊となっているため、渡米して代理出産したことは有名です。
また、長野県の諏訪マタニティークリニックの根津院長は、
独自の見解から代理出産での不妊治療を行っていて、2組が出産に至ったことを、2008年に公表しています。
非配偶者間体外受精とは、
精子提供、卵子提供によって行われる体外受精のことです。
日本ではボランティアによる精子提供での体外受精が1948年から行われていて、
今までに1万人以上の人が生まれています。
しかし、日本産科婦人科学会は、精子・卵子提供による体外受精を認めていません。
国としては、
厚生労働省の審議会で2003年に、非配偶者間の体外受精を認める報告書を出しています。
ただし、卵子や精子の提供者は「匿名の第三者」に限定していて、
家族関係の複雑化を懸念して家族間での提供は当面認めないとしています。
しかし、非配偶者間体外受精を希望する人の中には、
できるだけ夫婦に近い血をと、兄弟姉妹や両親からの精子提供、卵子提供を望む人も多くいます。
独自のガイドラインに則り、家族からの配偶子提供で体外受精を行っていることを公表している病院は、
日本に数院存在し、それ以外の病院でも水面下で行われているとも言われています。