欧米では広く浸透している養子縁組ですが、日本では「跡継ぎ対策」や「遺産対策」が前に出てしまっていて、子どもを養育するという意味では、あまり馴染みがない制度です。子どもを持つという、もうひとつの選択肢として、養子縁組のことを知ってみませんか?
ハリウッドスターのブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが、
3人の実子と、カンボジア、エチオピア、ベトナムからの養子と共に、
映画のPRのために来日したことが話題となりました。
ハリウッドスターでなくても、欧米では養子を迎えることが多いようですが、
日本での養子縁組のイメージは、跡継ぎとするため、遺産対策など、
「子どもを養育するため」の制度とはかけ離れたものがあります。
また、養子を迎えるにあたっても、
欧米のように、他の国から迎えるということは、ほとんどないように思われます。
37歳で結婚した、友人のI子さんは、
「子どもは授かりもの。縁がなければ養子を」と言っています。
不妊治療にトライした後、子どもを持つということに、養子を迎えるという選択肢もあるのではないでしょうか?
養子について少し考えて見たいと思います。
養子を迎えるにあたっては、
養子縁組斡旋団体に登録し、そこから紹介してもらうのが一般的な方法です。
斡旋団体には、管轄の児童相談所などの公的な機関と、民間団体の2種類があります。
いずれも法的には6ヶ月の試験的な養育期間を経て、
家庭裁判所に申し立てが認められれば養子縁組が成立となります。
養子に迎えた子が、ある程度の年齢になったときに、本当の親のことを言わなければいけない、
隠しておいても戸籍が必要な手続きのときに分かってしまう
――そのようなことがあっては可哀想なのでは?
というのは、ドラマや人生相談などで耳にする話ですが、このような心配がない、
「特別養子縁組制度」というものが1988年にできています。
これは、戸籍に実親の名前や養子縁組について一切記載されません。
親との関係も「長男」「次女」などと、実子と同じように記載されます。
6歳以下の子どもを養子に迎えるときに使える制度で、
一度縁組をすると原則的に離縁することはできません。
東京都の「養子縁組里親制度」を参考に見てみましょう。
養子縁組里親とは、
養子縁組を目的に、それまで里親として子どもを養育する家庭のことを言います。
東京都の児童相談所が扱う養子縁組は、原則として特別養子縁組です。
養子縁組里親の条件は、
「25歳以上50歳以下であり、婚姻している夫婦であること」「居室の広さは、少なくとも2室10畳以上」であり、
心身共に健全で、虐待等の問題がないこと、世帯の収入が生活保護基準を原則として上回っていること、
などです。
以前は共働き家庭は認められていませんでしたが、現在は改正されているようです。
この制度を利用するには、まず児童相談所へ問い合わせた後、申請を行います。
その後、家族全員が在宅時の、児童相談所の職員による家庭調査を経て、
2ヶ月に1度の児童福祉審議会で審議にかけられます。
審議を通過すれば、東京都知事の認定が下り、登録となります。
登録後に研修を受講して、はじめて子どもの紹介となります。
初めは“引き合わせ”といって、児童相談所の立会いの下、面会をします。
その後、おおむね1~3ヶ月程度の交流期間を経て、児童相談所が家庭と子どもの双方の状態を見極めて、
委託の決定をします。
委託から半年程度の養育期間を経て、家庭裁判所へ特別養子縁組の申し立てをすることになります。